ゴールデングローブ賞の授賞式で司会を務めたイギリス人コメディアンのジョークが全然笑えなかったり、二重被爆者をネタにするTV番組が放映されたりと、最近何かと口の端に上るイギリスのユーモアセンス。
同じ英語圏でもアメリカ人とはメンタル面で全く違う人たちなのだな、というのがようやくここ一年実感としてわかってきた。アメリカ人のESLの先生などはよく”British are sarcastic.”と言っていたが、sarcasticは「嫌味な」「口の悪い」という意味で、渡米してから知った英語の中の一つ。これを私は日本語で「皮肉屋」だと変換していた。
が、前学期の英作文(English Composition)の授業で、たまたまこのsarcasm「当て擦り」とirony「皮肉」の違いが出てきて、この二つが重なるところもあるものの、全く別物だということが分かったので、その違いについて書いてみる。
分かる人はあっさり違いが分かるんだろうが、アジア系のクラスメイトがみな頭に「?」を乗せていたし、分かりにくいよなーと思ったので。
英辞郎を見ると、それぞれの意味は以下の通り。
- sarcasm【sɑ́ː(r)kæ̀zm】[名]嫌み、嘲り、当てこすり、皮肉
- irony【ái(ə)r(ə)ni】】[名]皮肉、反語、アイロニー、成り行き、当てこすり、風刺、奇遇
このように、重複している言葉で説明されていはいるのだが、これらは全く同じ意味では無い。ややこしいのは、ある状況がsarcasmであるけどironyではない場合もあれば、逆の場合もあり、どちらにも当てはまる場合もあるということだ。